【迷いがスッキリ!】余寒見舞いはいつからいつまで?寒中見舞いとの違いや書き方を徹底解説
立春を過ぎたのに、まだまだ肌寒い日が続く日本の冬。そんな時期にふと「季節のご挨拶って、どうすればいいんだろう?」と悩んだことはありませんか?特に「寒中見舞い」と「余寒見舞い」は、似ているようで実は送る時期や意味合いが少し異なります。
この記事では、余寒見舞いを送るベストな時期から、寒中見舞いとの明確な違い、さらに誰にでも失礼なく気持ちが伝わる書き方やマナーまで、分かりやすく解説します。季節の移ろいを大切にする日本の美しい習慣を理解して、大切な人へ温かい心遣いを届けてみませんか?
寒中見舞いと余寒見舞い、どう違うの?時期と目的を徹底比較!
まずは、この二つの見舞い状の基本的な違いを確認しましょう。ポイントは「立春を境にするかどうか」です。
見舞い状の種類 | 送る時期の目安 | 主な目的 |
寒中見舞い | 1月8日頃(松の内明け) ~2月3日頃(立春の前日まで) | 年賀状の返礼が遅れた場合や、喪中のため年賀状を出せなかった場合の年始の挨拶、または寒さ厳しい時期に相手の健康を気遣う便りとして。 |
余寒見舞い | 2月4日頃(立春) ~2月末頃(地域によっては3月中旬まで) | 暦の上では春を迎えたものの、まだ寒さが残る時期に相手の健康を気遣う便りとして。寒中見舞いを出しそびれた場合や、喪中で寒中見舞いも出せなかった場合の挨拶として。 |
寒中見舞いとは?
一年で最も寒さが厳しいとされる期間(二十四節気の「小寒」「大寒」にあたる「寒の内」)に出すのが「寒中見舞い」です。具体的には、お正月の飾りを片付ける「松の内」(一般的に1月7日まで、関西など地域によっては1月15日まで)が明けてから、立春(2月4日頃)の前日までに相手に届くように送ります。
- 主な用途:
- 喪中の方へ年頭の挨拶に代えて出す
- 年賀状を出しそびれた相手や、年賀状の返礼が遅れた相手へ出す
- 相手の健康を気遣い、こちらの近況を伝える
余寒見舞いとは?
「余寒見舞い」は、その名の通り「余る寒さ」、つまり立春を過ぎてもなお残る寒さを気遣う見舞い状です。立春を過ぎると、暦の上では春が始まりますが、実際に暖かくなるまでにはまだ時間がかかりますよね。そんな時期に、相手の体調を思いやる気持ちを伝えるのが余寒見舞いです。
- 送る時期: 立春(2月4日頃)から2月末頃までが一般的です。ただし、北海道や東北地方など、3月に入っても寒さが続く地域では、3月中旬頃まで送っても問題ないとされています。厳密な期限は寒中見舞いほど厳しくありませんが、あくまで「寒さの残るうち」が原則です。
- 主な用途:
- 寒中見舞いの時期を逃してしまった場合
- 喪中の方への挨拶で、年賀状も寒中見舞いも出せなかった場合
- 春の訪れを待ちながら、相手の健康を気遣う通常の季節の挨拶
豆知識:「残寒見舞い」とは言わない!
暑中見舞いが時期を過ぎると「残暑見舞い」になるのに対し、寒中見舞いが時期を過ぎても「残寒見舞い」とは言いません。代わりに「余寒見舞い」を用いるのが正しいマナーです。
余寒見舞いを送る際のマナーと書き方(例文付き)
余寒見舞いを送る際には、いくつかの基本的なマナーと書き方のポイントがあります。心を込めて、丁寧に作成しましょう。
基本的な構成とマナー
- 頭語・結語: あってもなくても構いませんが、つける場合は「拝啓」と「敬具」のように対で使います。親しい間柄なら省略してもOKです。
- 時候の挨拶(主文の書き出し):
- 「余寒お見舞い申し上げます」
- 「余寒の候、〜」
- 「立春とは名ばかりの寒い日が続いておりますが〜」 などの言葉で始めます。
- 相手の安否を気遣う言葉: 「いかがお過ごしでしょうか」「お変わりなくお過ごしでしょうか」など、相手の健康や状況を気遣う言葉を入れます。
- 自分の近況報告: 簡潔に、明るい話題を中心に伝えます。
- 相手の健康を願う言葉: 「くれぐれもご自愛ください」「お風邪など召されませぬようお気を付けください」など、相手の健康を祈る言葉で結びます。
- 日付: 月のみでも、年月日を入れても構いません。
- 句読点を使わない: 季節の挨拶状では、句読点(、や。)は使わないのが慣習です。改行や一文字空けることで読みやすくしましょう。
- 年賀はがきは使わない: 余った年賀はがきは郵便局で切手や普通はがきと交換できますので、余寒見舞いには使用しないのがマナーです。通常の官製はがきや、落ち着いたデザインの私製はがきを選びましょう。和紙調のはがきなども季節感が出ておすすめです。
【シーン別】余寒見舞いの例文
1. 一般的な場合(知人・友人など)
余寒お見舞い申し上げます
立春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが
お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか
おかげさまで私どもは皆元気に過ごしております
吐く息の白さに春はまだ遠いかと感じますが
桜の開花が待ち遠しいこの頃です
どうぞくれぐれもご無理なさらないよう
お体大切にお過ごしください
令和〇年〇月
2. 目上の方へ送る場合
余寒お見舞い申し上げます
向春の候 〇〇様におかれましては
ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご厚情を賜り心より御礼申し上げます
おかげさまで私どもも滞りなく日々を送っております
未だ厳しい寒さが続きます折
何卒ご無理なさらないようご自愛くださいませ
令和〇年〇月
3. 喪中の相手へ(年始の挨拶を控えた旨を伝える場合)
ご自身または相手が喪中の場合、お祝いの言葉は避け、故人を偲ぶ気持ちや、相手の健康を気遣う言葉を中心に構成します。年賀状や寒中見舞いを控えたことへのお詫びを入れるのがマナーです。
余寒お見舞い申し上げます
ご服喪中のことと存じ
年頭のご挨拶は控えさせていただきましたが
皆様におかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか
故〇〇様にはご生前大変お世話になりながら
ご挨拶もできず心残りにております
余寒なお厳しき折柄
何卒ご無理なさらないようご自愛くださいませ
令和〇年〇月
4. 寒中見舞いの返礼が遅れた場合
余寒お見舞い申し上げます
先日はご丁寧な寒中お見舞いをいただき
誠にありがとうございました
お返事が遅れまして大変申し訳ございません
立春とは名ばかりの肌寒い日が続いておりますが
〇〇様におかれましてはご健勝のことと拝察いたします
どうぞ引き続きご無理なさらないよう
お体大切にお過ごしください
令和〇年〇月
デジタル化の時代に、あえて「はがき」で送る意味
現代では、メールやSNSで手軽に挨拶を済ませることも多くなりました。しかし、はがきで送る季節の挨拶状には、デジタルでは伝えきれない温かみと丁寧さが宿っています。
- 真心が伝わる: 手書きのメッセージや、はがきを選んで投函する手間は、相手への深い配慮と敬意を表します。
- 記憶に残る: 物質として手元に残るため、受け取った人の記憶に残りやすく、ふとした時に読み返すこともできます。
- 日本の文化を継承: 季節の移ろいや行事を大切にする日本の美しい文化に触れる機会にもなります。
特に、普段はメールやLINEでのやり取りが多い相手にこそ、たまには手書きのはがきを送ってみると、新鮮な驚きと共に、あなたの温かい心がより深く伝わることでしょう。
まとめ:心温まる余寒見舞いで、人と人との繋がりを大切に
「余寒見舞い」は、暦の上では春でも残る寒さの中で、大切な人の健康を気遣う日本の美しい習慣です。寒中見舞いとの違いや送る時期、マナーをしっかりと理解することで、どんな状況でも自信を持って温かいメッセージを届けられるようになります。
デジタルなコミュニケーションが主流の今だからこそ、手書きのはがき一枚に込められた心遣いは、きっと相手の心を温かくしてくれるはずです。ぜひ、今年の冬の終わりに、心に残る余寒見舞いを送ってみませんか?