樹脂とプラスチックってどう違う?種類ごとの特徴を知って素材を使いこなそう!


私たちの身の回りには、樹脂(じゅし)プラスチックで作られた製品があふれています。しかし、「樹脂とプラスチックって同じもの?」「どう違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?これらは密接な関係にある言葉ですが、厳密には異なる意味を持っています。

今回は、樹脂とプラスチックの違いを明確にし、さらに身近な製品に使われている代表的なプラスチックの種類とその特徴を詳しく解説します。素材の特性を知ることで、製品選びや廃棄の際に役立つ知識を深めましょう!

樹脂とプラスチック、その違いとは?

まずは、この二つの言葉の基本的な関係性から見ていきましょう。

  • 樹脂(Resin/レジン):

    元々は、樹木から分泌される松脂(まつやに)のような、天然由来の粘り気のある物質を指す言葉でした。現在では、高分子化合物の総称として使われることが多く、化学的に合成されたもの(合成樹脂)も含まれます。まだ加工されていない原料の状態を指すことが一般的です。

  • プラスチック(Plastic):

    樹脂(特に合成樹脂)を主原料として、熱や圧力を加えて成形し、製品として加工された状態のものを指します。つまり、**「樹脂を加工してできた製品」**がプラスチックです。

簡単に言えば、「樹脂」は材料(原料)、そして「プラスチック」はその材料を加工してできた製品と考えると分かりやすいでしょう。

プラスチックの二つの大きな分類:熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂

プラスチックは、熱を加えた時の性質によって大きく二つに分けられます。


1. 熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)

熱を加えると軟らかくなり、冷やすと固まる性質を持つプラスチックです。この性質を活かして、何度も加熱して成形し直したり、リサイクルしたりすることが可能です。私たちが日常で目にするプラスチック製品のほとんどがこのタイプです。

代表的な種類と身近な製品の例:

  • ポリエチレン(PE): 最も生産量が多いプラスチックの一つ。非常に汎用性が高く、安価で加工しやすいのが特徴です。
    • 特徴: 耐水性・耐薬品性に優れ、軽くて丈夫。種類によって硬さが異なり、半透明のものが多いです。
    • 主な用途: レジ袋、ゴミ袋、食品用ラップ、ポリタンク、バケツ、ペットボトルのキャップなど。
  • ポリプロピレン(PP): ポリエチレンに似ていますが、より耐熱性が高く、丈夫で硬いのが特徴です。
    • 特徴: 耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性に優れ、軽い。ヒンジ部分(折り曲げ部分)を一体成形できるため、開閉する容器によく使われます。
    • 主な用途: 食品容器(タッパー、ヨーグルト容器)、おもちゃ、家電製品の部品、自動車部品、クリアファイル、衣類(ヒートテックなど)など。
  • ポリスチレン(PS): 透明で加工しやすく、発泡させると軽量になります。
    • 特徴: 透明性があり、加工しやすい。発泡させると断熱性や緩衝性が高まります。
    • 主な用途: 食品トレイ、カップ麺の容器、CDケース、おもちゃ(プラモデル)、発泡スチロール(緩衝材、断熱材)など。
  • ポリ塩化ビニル(PVC/塩ビ): 硬質と軟質があり、柔軟性を変えられます。耐久性や耐水性に優れます。
    • 特徴: 耐候性、耐水性、耐薬品性に優れ、着色しやすい。燃やすとダイオキシン発生の懸念から使用が減っています。
    • 主な用途: パイプ、電気コードの被覆、床材、ビニール傘、農業用シート、ラップフィルム(食品用以外)など。
  • ポリエチレンテレフタレート(PET): 透明性が高く、強度があります。リサイクルしやすいことから、環境配慮型素材としても注目されています。
    • 特徴: 透明性、ガスバリア性、強度に優れる。再生利用されることが多いです。
    • 主な用途: ペットボトル、食品容器(卵パック、お弁当容器)、衣料繊維(フリースなど)など。
  • アクリル樹脂(PMMA): 「アクリル」として広く知られ、非常に透明度が高く、ガラスの代替として使われます。
    • 特徴: ガラス以上の透明度、高い耐候性、加工しやすい。衝撃に強い。
    • 主な用途: 水族館の水槽、照明カバー、看板、ディスプレイ、車のテールランプ、眼鏡のレンズなど。

2. 熱硬化性樹脂(ねつこうかせいじゅし)

一度熱を加えて固まると、再加熱しても軟らかくならないプラスチックです。分子構造が網目状に強く結合しているため、熱に強く、形状が安定しています。しかし、その性質上、リサイクルが難しいとされています。

代表的な種類と身近な製品の例:

  • フェノール樹脂(PF): 最も古い合成樹脂の一つ。電気部品や調理器具の持ち手など、耐熱性が求められる場所に使われます。
    • 特徴: 耐熱性、電気絶縁性、機械的強度に優れる。
    • 主な用途: 鍋の取っ手、灰皿、プリント基板、電気部品、自動車部品など。
  • メラミン樹脂(MF): 表面が硬く、光沢があり、傷がつきにくいのが特徴です。
    • 特徴: 表面硬度が高く、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる。着色性が良い。
    • 主な用途: 食器(メラミン食器)、化粧板、テーブルの天板、建材など。
  • エポキシ樹脂(EP): 接着剤や塗料、FRP(繊維強化プラスチック)の基材として広く使われます。
    • 特徴: 接着性、耐薬品性、電気絶縁性、機械的強度に優れる。
    • 主な用途: 接着剤、塗料、電子部品の封止材、複合材料(FRP、航空機部品)など。

まとめ:素材を知って、賢く付き合おう!

「樹脂」が原料で、「プラスチック」が製品という違いを理解すると、私たちの身の回りにある様々な製品が、いかに多様な素材の特性を活かして作られているかがよく分かります。

それぞれのプラスチックには、耐熱性、強度、透明性、加工性など、独自のメリットがあります。これらの特徴を知ることで、製品を選ぶ際の参考になるだけでなく、ゴミを分別する際にも役立つでしょう。素材の知識を深めて、より賢く、そして持続可能な暮らしを送る一助としてくださいね。

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