【会社の基本が変わる!】定款変更手続きを分かりやすく解説!
会社を経営していると、「事業の目的を変えたい」「会社の名前を変えたい」「本店所在地を移転したい」など、会社の基本的なルールである「定款(ていかん)」の内容を変更したい場面が出てくることがありますよね。でも、「定款変更って難しそう…」「どんな手続きが必要なの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。
今回は、そんな定款変更の手続きについて、なぜ変更が必要なのかという基礎知識から、具体的な流れ、そして知っておきたい注意点まで、分かりやすく解説していきます!
定款ってそもそも何?会社のルールブック!
まず、定款とは、会社を設立する際に必ず作成する「会社の憲法」や「会社のルールブック」のようなものです。会社の商号(名称)や事業目的、本店所在地、役員の構成、株式に関する事項など、会社の基本的な運営ルールが定められています。
会社を設立する際には、この定款を公証役場で認証してもらう必要があります。そして、定款に記載された内容は、会社の登記情報としても公開されるため、取引先や金融機関などが会社の情報を確認する際の重要な資料にもなります。
なぜ定款の変更が必要なの?主なケースをご紹介
定款に記載された内容を変更する必要があるのは、主に以下のようなケースです。
- 事業目的の変更・追加: 新しい事業を始めたり、既存の事業内容を見直したりする場合。
- 商号(会社名)の変更: 会社のイメージを一新したい、合併・買収などで社名を変える場合。
- 本店所在地(会社の住所)の移転: 事業拡大やコスト削減などでオフィスを移転する場合。
- 役員に関する事項の変更: 役員の任期を変更したり、役員会を設置したりする場合。
- 発行可能株式総数の変更: 増資を検討している場合など。
- 公告方法の変更: 会社の情報開示の方法を変更する場合。
これらの変更は、会社の成長や外部環境の変化に対応するために、非常に重要なステップとなります。
定款変更の手続きは大きく2種類!
定款の変更手続きは、変更する内容によって大きく2つの種類に分けられます。
1. 株主総会の特別決議が必要な場合(最も一般的)
定款のほとんどの内容を変更する際には、**株主総会での「特別決議」**が必要になります。特別決議とは、通常の決議よりも厳しい条件で、株主の同意を得る必要がある決議のことです。
- 出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要。
この特別決議が必要な変更事項は、会社の根幹に関わる重要な変更であるため、より慎重な判断が求められるのです。
2. 取締役会の決議や代表取締役の判断で可能な場合(限定的)
ごく一部の事項(例えば、定款に定められた範囲内での代表取締役の住所変更など)は、取締役会の決議や代表取締役の判断で変更できる場合もありますが、これは非常に限定的です。基本的には、定款変更=株主総会の特別決議が必要と認識しておくと良いでしょう。
定款変更手続きの具体的な流れ【5つのステップ】
では、実際に定款変更を行う際の具体的な流れを見ていきましょう。
ステップ1:変更内容の検討と準備
まず、何を変更したいのか、その変更が会社にどのような影響を与えるのかを具体的に検討します。新しい事業目的や商号など、変更後の内容を明確にしておきましょう。また、変更に必要な費用(登録免許税など)や、専門家(司法書士など)への依頼費用なども確認しておきます。
ステップ2:株主総会の招集・開催
定款変更には株主総会の特別決議が必要なので、まずは株主総会を招集します。
- 招集通知の発送: 株主総会の日の2週間前(非公開会社の場合は、定款で短縮することも可能)までに、株主に対して招集通知を発送します。
- 株主総会の開催: 株主総会では、定款変更の議案を提出し、特別決議によって承認を得ます。
ステップ3:株主総会議事録の作成
株主総会で定款変更が承認されたら、その内容を記載した株主総会議事録を作成します。この議事録は、後の登記申請の際に必要となる重要な書類です。議事録には、決議された内容、日時、場所、出席者などを正確に記載し、議長と出席取締役が署名または記名押印します。
ステップ4:変更登記の申請
定款の内容変更に伴い、登記されている情報も変更する必要がある場合は、法務局へ変更登記を申請します。例えば、商号や事業目的、本店所在地が変わる場合などです。
- 必要書類の準備: 変更登記申請書、株主総会議事録、取締役会議事録(必要な場合)、代表取締役の印鑑証明書など、変更内容に応じた書類を準備します。
- 登録免許税の納付: 変更内容に応じた登録免許税を納めます。
- 法務局への申請: 準備した書類を管轄の法務局に提出します。オンラインでの申請も可能です。
この登記申請は、株主総会で決議された日から2週間以内に行う必要がありますので、期限に注意しましょう。
ステップ5:その他関連手続き
変更登記が完了したら、それに伴うその他の手続きも忘れずに行いましょう。
- 税務署への届出: 商号や本店所在地、事業目的が変わった場合など。
- 社会保険・労働保険の手続き: 本店移転などで管轄が変わる場合など。
- 取引先への連絡: 商号変更や本店移転など、取引先に関わる変更があった場合。
- 名刺やウェブサイトの変更: 会社の情報が古くならないように更新します。
定款変更で「失敗しない」ための注意点
定款変更は、会社の基本的なルールに関わる重要な手続きです。以下の点に注意して進めましょう。
- 事前に専門家に相談する: 司法書士や行政書士など、定款変更に詳しい専門家に事前に相談することをおすすめします。特に、複雑な変更や複数の変更を同時に行う場合は、専門家のサポートがスムーズな手続きにつながります。
- 変更の必要性を確認する: 本当に定款変更が必要な内容なのか、慎重に検討しましょう。例えば、事業目的の追加は、今後の事業展開を広げるために有効ですが、あまりにも広げすぎると、逆に会社の方向性が不明確になる可能性もあります。
- 株主とのコミュニケーション: 株主総会での特別決議が必要なため、事前に株主への説明や意見交換を行い、理解を得ておくことが大切です。
- 登記懈怠に注意: 変更登記は2週間以内に行う義務があります。期限を過ぎると過料が科される可能性があるため、絶対に遅れないようにしましょう。
まとめ:定款変更は会社の成長の証!計画的に進めよう
定款変更は、会社が成長し、変化していく上で避けては通れない重要な手続きです。一見複雑そうに見えますが、株主総会での特別決議と変更登記が主なポイントです。
今回ご紹介した流れや注意点を参考に、計画的に手続きを進めることで、会社の基本情報を適切に更新し、さらなる発展へとつなげていきましょう!