「南瓜」なぜこの漢字?かぼちゃの読み方、語源のふしぎを解き明かす!
秋から冬にかけて、食卓を彩る黄色い野菜、かぼちゃ。煮物やスープ、スイーツなど、様々な料理で大活躍ですよね。でも、漢字で「南瓜」と書くと、なんだか読みにくいし、「なぜこの漢字なんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、そんな「南瓜」という漢字の読み方から、そのおもしろい語源、そして私たちの食卓にたどり着くまでの歴史までを、やさしく、そして楽しくご紹介します。これを読めば、今日からかぼちゃを見る目がちょっと変わるかもしれませんよ!
「南瓜」の読み方、実は複数あるって知ってた?
「南瓜」と書いて、一番よく使う読み方はもちろん「かぼちゃ」です。でも、実は他にもいくつかの読み方があるんです。
- かぼちゃ: これが最も一般的で、普段の会話でもよく使われます。
- なんきん: 特に煮物などで使われる時に、こう呼ぶことがあります。例えば「南京豆(なんきんまめ)」も、中国から伝わった豆という意味で使われますね。
- とうなす: これは少し古い言い方で、あまり耳にしないかもしれません。
このように複数の読み方があるのは、かぼちゃが日本に伝わってきた背景と深く関係しています。
「かぼちゃ」の語源:ポルトガル語から日本へ!
私たちが普段使っている「かぼちゃ」という呼び名。実は、ポルトガル語がルーツなんです。
今からおよそ450年ほど前の戦国時代、かぼちゃはポルトガル人が日本のカンボジア(当時の呼び方は「Cambodia」または「Camboja」)から日本へ持ち込んだとされています。この「カンボジア」という地名が、なまって「かぼちゃ」になったと言われているんです。
ちょうどこの頃、ポルトガルとの貿易が盛んだった長崎県の**平戸(ひらど)**に初めて上陸したと伝えられています。そのため、平戸は「かぼちゃ渡来の地」とも呼ばれているんですよ。
「南瓜」の漢字の語源:南の国から来たウリの仲間?
では、なぜ「南瓜」と書くのでしょうか? これには、かぼちゃが中国を経て日本に伝わった時の呼び方が関係しています。
- 「南」: 南の方の国、つまり中国から見て**南方(なんぽう)**の国々(東南アジアなど)から伝わってきたことを表しています。
- 「瓜(うり)」: かぼちゃがウリ科の植物であることから来ています。きゅうりやスイカ、メロンなどと同じ仲間なんですね。
つまり、「南瓜」という漢字は、「南の国から来たウリ科の植物」という意味が込められているんです。中国では、かぼちゃは「南瓜(ナンクワァ)」と発音され、これが日本に入ってきた際に「なんきん」と読まれるようにもなりました。
かぼちゃ、日本に上陸後の歴史と変化
日本にやってきたばかりのかぼちゃは、今のように甘みが強くなく、どちらかというとデンプン質が豊富な野菜でした。しかし、その保存性の高さから飢饉の際の重要な食料として重宝され、全国へと広まっていきました。
現代のような甘くてホクホクしたかぼちゃが多く流通するようになったのは、明治時代以降、アメリカなどから改良された品種が導入されてからです。今では、品種改良によって様々な種類のかぼちゃが楽しめるようになりましたね。
まとめ:歴史とロマンが詰まった「南瓜」のひみつ
普段何気なく食べている「かぼちゃ」という名前や、「南瓜」という漢字には、遠い異国からの渡来の歴史や、植物としての特徴がぎゅっと詰まっていることがお分かりいただけたでしょうか。
ポルトガル語がルーツの「かぼちゃ」、そして「南のウリ」という意味が込められた漢字「南瓜」。その背景を知ることで、いつものかぼちゃが、ちょっぴりロマンを感じる特別な存在に思えてきませんか?